最近動画を扱っている時にMacBook Proの内部ストレージが圧迫され、一時Finderすらまともに立ち上がらなくなったので、今更ながらAirMac Extremeの後ろにあるAirMacディスクポートを使って、USBメモリを外部ストレージ化してみたので転送速度などを含めご紹介する。NAS導入は面倒だけど、AirMacを持っていて簡易的な外部ストレージを求めている人にはおすすめ。
AirMacディスク
AirMacディスクとは、wifiルータAirMac Extremeの背面に用意されているUSBインターフェイスにUSBメモリ やHDD、SSD又はプリンタなどを接続すると、接続した機器をワイヤレス化することができるという優れもの。しかし、USBの規格がusb2.0なこととAppleの最新ファイルシステムAPFSに非対応なことがとても残念。
というのも、現行のwifiルータAirMac Extremeが2013年に発売されてから3年後の2016年にAppleがwifiルータ事業からの撤退を発表しており、それ以降AirMacディスク機能の進化が止まっている。Appleから新型wifiルータが発売されないのは非常に残念だが、wifiルータ開発チームはApple TV開発部に異動したとの情報があるため、将来Apple TVにwifiルータ機能やAirMacディスク機能が追加されることを密かに望まずにはいられない。
使用したUSBメモリ
今回使用したUSBメモリはSandiskの256GB
購入時の価格は¥6,999(税込)@楽天
スライド式でUSB-AとUSB-Cの両方に対応可能なUSBメモリで、MacBook ProのUSB-Cポートでも使えた。スライド感は少しおもちゃのような感じだが、使用しない時はスライドを真ん中にしておけば、凸部がなくなるので、端子部を保護できる。気軽に外出先へUSBメモリを持ち運ぶこともできるのもメリットだ。
ここで費用対効果としてiCloudとの料金比較を行う。iCloudストレージは200GBで¥400/monthなので、仮に256GBで¥500/monthとした場合、7,000 ÷ 500 = 14ヶ月となり、14ヶ月間256GBのデータをiCloudに保管したのと同じ価格支払ったことになる。iCloudの利便性などと単純比較はできないが、1年2ヶ月以上USBメモリを使用すれば、お得になると考えてもいいだろう。
iCloudやGoogleドライブのクラウドストレージは無料の容量内で一時的なデータの共有に使用し、USBメモリなどの物理外部ストレージは長期にデータ保管するために使用するのが、私のようなライトユーザーには現状一番良い選択であると思う。
USBメモリ ワイヤレス化
まずはUSBメモリのフォーマット方法。PC(MacBook Pro)にUSBメモリを接続すると、デフォルトでAndroid系スマホ用アプリインストール方法のpdfが入っているが無視して、Macのディスクユーティリティを起動。ディスクユーティリティの表示タブの「全てのデバイスを表示」を選択することで、ディスクのデバイスも表示することができる。
SanDiskのUSBメモリを選択し、消去をクリック
フォーマット形式は、Mac OS拡張(ジャーナリング)を選択。
方式は、GUIDパーティションマップを選択。消去をクリック。
Windows系PCでもAirMacディスク上であれば、Mac OS拡張でフォーマットされたデータへのアクセスは可能。ただし、WindowsPCにUSBメモリを直接接続する場合は、あらかじめWindowsPCでFAT32にフォーマットしておく必要がある。
フォーマット完了後、AirMac Extreme背面のAirMacディスクポートへUSBメモリを接続。接続後、何も設定しなくてもAirMac Extreme経由の外部ストレージとして機能するので、必要なデータを移行するだけ。ただし、RAIDなどのバックアップ体制を取っているわけではないので、当然USBメモリが不具合を起こした時のことを考えると、大事なデータはPCの内部ストレージに保管することをお勧めする。
転送速度
ワイヤレス化した場合に気になるのが、データの転送速度。USBメモリを直接PCに接続した時とワイヤレス化した時の結果を比較した。結果は書き込み速度値は誤差の範囲でほぼ変わらずだが、実際の書き込みはやはり直接接続の方が安定しているため結果として早い。読み込み速度はさすがに直接接続が圧倒的。
70GBの動画データをPC直接接続でUSBメモリに書き込んだが、1時間程度かかったので、70,000[MB] ÷ 3,600[秒] =19.44[MB/s]となり、概ねスピードテストの結果と一致している。
また、AirMacディスクでは、読み込み速度が著しく遅く、USBメモリに保存したビデオ再生が途切れたので、スピードテストの結果通り動画のストリーミングはできない。◯K動画では軽い動画は、ストリーミング再生可能。
転送速度比較 | 書き込み | 読み込み |
PC直接接続 | 19.1 MB/s | 162.8 MB/s |
AirMacディスク | 19.7 MB/s | 12.5 MB/s |
ちなみにこれはMacBook Pro内部SSDの結果。爆速。
まとめ
AirMac Extremeの背面のAirMacディスクポートを使って、USBメモリが簡易的なワイヤレス外部ストレージとして機能することを確認した。また、実効転送速度の比較を行い、ワイヤレス化してもライトユーザーが使用に耐えうるレベルの転送速度を保っていることが確認できた。画質の良い動画のストリーミングができなかったのは残念なところだが、軽い動画が再生できたことは良かったと思う。
今後USBメモリがより大容量化されれば、USBメモリを使った仮想化USB技術にも注目が集まるかもしれない。