海外オークションサイトeBayが決済方法として、Apple Payを採用すると発表した。
eBayの現在の決済サービスは元々eBayの子会社であったPayPalだか、2015年頃から経営方針の違いによりeBayは脱PayPalを宣言し、2021年までにeBay独自の決済システムを構築、2023年までにAdyanの決済サービスに移行する方針が決定している。
現在のPayPalと今後のApple Payの手数料はどう変わるのか少し調べてみた。ただし、Apple Payの決済サービス会社はAdyanと予想した。
買い手(buyer) PayPalとApple Pay(Adyan) は特に変わらない
買い手(buyer)は、海外購入金額に対し、円の為替手数料が追加でかかるだけなので変わらない。しかし、PayPalは支払い画面で、PayPal独自の4.0%程度の高い為替手数料をデフォルトで選択させようとしてくるので、注意が必要だ。支払い画面で選択するだけで、クレジット会社の為替手数料1.63%にまで引き下げることができる。私も過去に誤って4.0%程度で支払ったことがある。
売り手(seller) PayPalとApple Pay(Adyan) 決済サービス手数料は下がる方向か
売り手はeBayから徴収される10数%の手数料を除くと、決済サービス会社から徴収される手数料がかかる。PayPalでは、個人利用の場合、海外の決済手数料が4.1 % + 40 円 / 件となっている。月の取引額が多い方は決済手数料を3.4 % + 40 円 / 件まで低くできる。PayPalの決済サービス手数料参考
一方Apple Payを導入すると、Appleに0.15%を必ず徴収される仕組みだ。決済サービス手数料は、Adyanの契約次第だが、Adyanの決済サービス手数料参考リストから、最大でも3.95% + 14円 / 件程度になりそう。Appleの手数料と合算すると、4.1 % + 14円 / 件と予想される。Adyanの決済サービス手数料参考
PayPal:4.1 % + 40 円 / 件
Apple Pay:4.1 % + 14円 / 件
Apple Payの方が1件あたりの固定費が下がる程度と予想される。
まとめ
まだ予想の段階だが、Apple Payを導入して決済手数料がPayPalと同程度ないしわずかに安い程度とみられる。しかし、2021年にeBay独自の決済システムを構築すると発表しているので、PalPalやApple Payよりも、このシステムが一番安くなる方向にeBayは持っていくに違いない。そのための比較用としてApple Payが導入されたとみてもおかしくはない。
PS.日本の決済手数料
ヤフオクでは、2015年に決済手数料を無料にしているが、その方が出品者が増えオークションの活性化が見込まれるため。日本では、決済手数料を支払うという文化が浸透していないことを表している。企業としては負担増となるが、消費者個人としてはありがたい。
フリマ市場大手メルカリは手数料10%でやりくりしているところをみると、決済サービス会社が仲介せずに、メルカリ独自で決済システムを構築し、決済システム会社(visa,master等)との契約を結んでいるのだろうか。追随する楽天のラクマはさらに安い3.5%という手数料だが、楽天経済圏を構築しており、そのスケールメリットから決済手数料をかなり抑えて運用できるのだろうが、現在の手数料は破格だ。